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【9月30日 モニロケ785】~神饌(しんせん)についてのお話し~

9/30(木)のモニロケ785は、高橋さゆりと北村美和がお送りしました。

第5木曜日の10時台は「歴史のなぞ」。栗東市 小槻大社宮司の宇野日出生さんに

お話をおうかがいしています。

放送日は、滋賀県に緊急事態宣言が出ていましたので、

スタジオではなく電話でお話いただきました。

今回は「神様と食べ物」をテーマに神様にお供えする食べ物「神饌(しんせん)」についてのお話でした。神饌としてお供えする物は、その地域でとれた産物が中心であり、調べていくと地域の食文化がわかってきます。滋賀県では琵琶湖の魚介類や地域の野菜などをお供えします。鮒ずしのような「なれ鮨」もあります。
現在では野菜などをそのままお供えするのが普通ですが、昔は調理や加工をしたものを供える加工神饌(熟饌)が多かったようです。その代表的なものとして挙げられるのが「お餅」と「お酒」です。
お餅はいつでも食べられるものではなくお祭りやお正月など限られた時に食べるごちそうであり、準備してつくだけでも大変な作業です。

たとえば長浜市の川道神社では、一つの集落で一俵分(60キロ)のお米をついて、巨大な重ね餅にします。集落は七つあるので七台の一俵鏡が神様にお供えされ日本最大級のお餅が並びます。毎年の神事ですがお餅をつく技術や運搬の方法、お供えの仕方、最後に氏子で分けて食べるところまで、どのように行うのか複雑な神事の流れが地域に伝わっています。
またお酒は、お神酒(おみき)と呼ばれ昔は自分たちで作りました。今とは違い澄みきった清酒が飲める人は限られており、お神酒は神様にお供えする最上級のものでした。滋賀県愛荘町の藤居本家では、新嘗祭(にいなめさい)、現在では勤労感謝の日に白酒(しろき)のお神酒を、毎年宮中に献上しています。さらに天皇が即位後初めて行う新嘗祭を大嘗祭(だいじょうさい)と言いますが(最近では平成から令和に変わった時)、その年には白酒(しろき)と黒酒(くろき)を造り全国の神社に配ります。

白酒と黒酒はどちらも昔からある太古のお酒です。黒酒(くろき)は「くさぎ」という、植物を焼いた灰を混ぜたお酒で、黒っぽい色をしています。何十年に一度の天皇が代替わりする時しか造られませんが、その造り方は神事としてきちんと伝えられています。 

「歴史のなぞ」次回は、来年3/31(木)にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…

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