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拡大教科書作りに取り組んでいる「てくてく草津」の井上順子さんにお越し頂きました(モニロケ785)

8/19(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと金田まりこでお送りしました
「いきいき草津」前半はゲストに拡大教科書作りに取り組んでいるボランティアグループ

「てくてく草津」の井上順子さんにお越しいただきました。

拡大教科書とは弱視の児童さんのために文字や絵を大きくした教科書のことです。
弱視といってもそれぞれ見え方が違うので市の教育委員会より「〇〇さん用の教科書を」と依頼があってから、

その方の視力に合わせた文字のサイズで1冊ずつ手作りします。

今から17年前の2004年広報くさつに「拡大教科書を作りませんか?」と教育委員会と社協からの呼びかけがあって
説明会を聞きに行ったのがこの活動を始めるきっかけだったそうで、
その時に集まったメンバーで「てくてく草津」というグループができました。
拡大教科書のことはまだ何もわからないけれどぼちぼちやっていこうか…という意味が込められています。

拡大教科書の作り方ですが、まず原本となる教科書をバラバラにして1枚ずつスキャナーで取り込んでから
ワードに入れて見やすい文字に変えていきます。
写真や絵も同じように取り込んでからワードに貼りつけるという本当に細かい作業です。
文字を大きくするとA4のページ1枚が2枚分になり本が厚くなるので、
ランドセルが重くならないようにと1冊の教科書を2冊か3冊に分けて作ります。

こうした活動が実って8年ほど前から教科書会社自体が拡大教科書を作るようになり、
現在は図書館から依頼された本を拡大本にする活動へと変わりました。
毎年5月から始めて翌年1月に仕上げるというペースで1年で5冊を製本します。てくてく草津10人のメンバーでパソコンでデータを作る担当と文字化けなど誤字の校正をする担当に分かれて、週に一度図書館に集まって作業されるのですが家に持ち帰ることも多いそうです。

こうして作られた拡大本はすでに100冊以上にもなり、
内容も昔話や小説、児童書など幅広いジャンルにわたっています。
草津市立図書館の奥の方にある拡大本の棚に並んでいます。
ただし目に障碍がある方の本なので図書館で読むのは誰でもOKですが、著作権の関係で借りるためには
障碍者手帳の提示が必要です。

17年の活動を通して大変だったことをお聞きしたら、何もわからないところから始めたので
最初は苦労したことや教科書の場合は文部科学省に届け出をするなど手続きがたくさんあること
新学期までに準備しなければならないプレッシャーがあったことなどをあげられました。

その一方で、弱視の児童さんに拡大教科書を直接手渡しできてすごく喜んでくれたことや
先生や保護者の方からお礼の手紙をいただいたことなど嬉しいできごともたくさんあって、
それが原動力となって今に至っているとのことです。

図書館に置かれている拡大本は今は障碍者用なのですが、幅広く見ていただける本が作りたいというのが
今後の目標だそうです。

実は井上さんは聖火ランナーとして5/27(木)草津市の小汐井神社~第二小学校を走られています。
聖火リレーは1年延期になったし本当に走れるのかずっと心配されていました。
当日は朝からの雨も草津を走るころにはやんで沿道にたくさんの人が応援に来てくださってありがたかったことと、
走ることによって拡大教科書の活動をいろんな方に知っていただくことができてよかったと語られました。

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