3/3(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと金田まりこが担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には
草津宿本陣と草津宿街道交流館の館長 八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
今日は浮世絵についてお話いただきました。
東海道五十三次の草津を描いた浮世絵で一番有名なものは「うばがもちや」の店先を描いた歌川広重の作品です。
この浮世絵を出版した版元が保永堂だったので東海道五十三次 保永堂版とよばれ歌川広重は一躍有名になりました。
それ以降東海道を描いた浮世絵を次々と世に出し、有田屋版 蔦吉版など版元が違うもの、風景の中に人物が大きく書かれた人物東海道など20種類ほどの作品が残されています。
そのほか歌川国芳や葛飾北斎も東海道を描いており、東海道五十三次草津の浮世絵は街道や草津川の渡し 近江八景の矢橋 野路の玉川などの風景だけでなく、草津にまつわる伝説、歌舞伎役者を風景の中に入れたものなど合わせて30種類ほどあるそうです。
ただし実際に東海道を歩いて絵を描いたのかは疑問もあります。というのは名所図会(江戸時代のガイドブック)と同じ構図の浮世絵がいくつかあるからで、それを参考にしながら描いたのかもしれません。
浮世絵というと歌川広重や葛飾北斎のように絵を描く絵師だけが有名ですが、実際はその絵を版木に彫る彫り師と色をつけて和紙に摺る摺り師の腕があって初めて完成するものです。彫り師や摺り師の技が巧みであるからこそ髪の毛や着物の柄などの繊細な線も表現され美しい浮世絵ができあがるわけです。
浮世絵の版元は江戸にあったので参勤交代の武士たちが1枚16文(500円ほど)で買って江戸の土産として国許(くにもと)へ持ち帰ったようです。こうして草津を含めた東海道五十三次は多くの人にその景色が知られていき、色鮮やかな浮世絵は人々に強い印象を与えました。
草津宿街道交流館 春季テーマ展「浮世絵から知ろう!! 近江の名所と宿場町~東海道と中山道~」は3/19(土)~5/8(日)まで開催されます。