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12/15 モニロケ 草津ブランド 

12/15(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子でお送りしました。

「いきいき草津」前半は草津にお住いの刀匠(刀鍛冶) 田中貞豊さんにお越しいただきました。

刀匠とは日本刀を作ることを専門としている鍛冶屋のことで刀鍛冶とも呼ばれます。

田中貞豊さんが作られる日本刀は今年9月に草津ブランドに認定されました。

田中さんは幼いころから刃物全般に興味があったそうですが、今から28年前に通勤電車で「日本刀の展示会」のつり革広告を目にしたことから新たな運命が開けます。

展示会では100振り以上の日本刀が飾られているのを見て、日本にはたくさんの刀匠がおられることを知り「自分もやってみたい」と行動されます。

まず日本美術刀剣保存協会に手紙を出したことから人間国宝 月山貞一さんに弟子入りを許されて田中さんの修行生活が始まります。

田中さんが入門した以降も弟子入りを希望する人が次々と訪れますが、定員いっぱいであると皆断られたそうでそのタイミングも幸運でした。

弟子部屋での共同生活という昔ながらの徒弟制度の中で6年半の修行を経て国家試験を受けます。講習と5日間で1振りの刀を仕上げるという実地試験に合格すると師匠が文化庁に申請してようやく刀匠の免許を手にすることができました。

苦しいのが当たり前の修行時代を努力と根性で乗り切った後、刀匠になって地元草津市へ戻り独立します。しかし勝負は独立してからで修行時代とはまた別の大変さがあるそうです。

日本刀の材料は砂鉄を熱して作る玉鋼(たまはがね)で、島根県で刀匠のためだけに作られています。その玉鋼を熱してたたいて伸ばしてを繰り返して鉄を鍛えます。

長方形に伸ばし1000度くらいになると真ん中に切れ目を入れて折り曲げ、又たたいて伸ばすという作業を10数回繰り返します。

まるでパイ生地のように何層にも重ねることで鉄を均一にしてスラグ(不純物)を取り除いていきます。スラグは融点が鉄より低いので温度を上げてたたくことで飛ばしていきます。

それから日本刀の形に伸ばして刃の方を打ち出して薄くし水につけて(焼き入れ)硬くします。鋼は急冷すると硬くなる性質があるので刃は急冷して他の部分は徐々に冷めていくように刀身の上に塗る土の厚さで調整します。その土は草津の土を使います。土の塗り方により焼き入れをして土を取った後に美しい刃文が表れます。

日本刀作りで一番神経を使うところは温度管理で、間違うと鋼を折り曲げた層がうまくつかなかったり焼き入れの際にパキッと音がして割れてしまいます。

温度を見極めるのは長年の勘で工房を暗くして赤くなった刀身の色を見て判断します。

日本刀を買い求めるのは昔は高齢の男性が多かったのですが、今は刀剣女子の言葉もあるように興味を持って購入される女性も増えています。

日本刀は刀鍛冶だけではなく研ぎ師など少なくても3人の職人さんが関わる美術品であり値段は軽自動車くらいとのことです。

田中さんが修行中から思って実践していることは刀鍛冶になることが目標ではなくそれは通過点であり、刀鍛冶として生きていくためにはどうすればいいのかを常に考えているそうです。そのためにはお客様を大事にして真摯に刀を作ること、生き方も律儀にしっかりと生きていくことが大切だと語られました。

田中さんのウェブサイト(田中貞豊鍛刀場)もぜひご覧ください。

アドレスは http://www.mamorikatana.sakura.ne.jp/index.html です。

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