草津レポート11月号 オンデマンド配信中 こちら

11月 うちでのこづち

番組「うちでのこづち」は、 公益財団法人滋賀県産業支援プラザの協力で、草津市内の企業などをご紹介致します。

放送日時

毎月第3水曜日 11時~11時30分  
再放送は、翌週(第4水曜日)の同じ時間です。

滋賀県産業支援プラザ情報企画課の佐々木です。
今回、お話を伺うのは、草津市橋岡町に事業所がある「株式会社パルスパワー技術研究所」の代表取締役・徳地明さんです。

オンデマンド音源(著作権の関係で途中の曲は削除しています)
パルスパワーとは?

数百万分の1秒から数千万分の一秒といった非常に短い時間の間に、数万ボルトから数十万ボルトの高電圧で、数千アンペアから数万アンペアという大電流の超高電力パルスのことです。

株式会社パルスパワー技術研究所の業務内容は?

高電圧・大電流のパルスパワーをお客様の用途に合わせて最適な状態で発生するパルス電源を作っています。
また、より大きな電力を、より高速に、より効果的に、よりたくさんの回数を作り出すための技術・製品を多数開発・製造し、大学や国立研究での核融合や加速器などの学術研究や、企業での産業応用のための共同研究や共同開発・技術支援を行っています。

電磁波、核、と聞くとなんだか怖いイメージがあるのですが・・

核というと原子力発電を思い浮かべる人が多いと思います。これは、放射能を帯びたウランの核分裂を利用したもので確かに危険性を伴う場合もあります。
株式会社パルスパワー技術研究所が開発に協力しているのは水素燃料を利用した核融合です。
水素原子が融合する際に放出するエネルギーで放射能は発生しないとされており、我が国を含め、世界の各国が次世代のクリーンエネルギーとして開発を進めています。現在は、イータープロジェクトという国際協力でフランスに超大型の核融合実験装置の建設が進んでおり、当社は、この装置の中心部ともいえる中性粒子ビーム入射加熱装置用の百万ボルトの電源の開発に参画しています。

どんなものに使用されているのですか。

兵庫県佐用町にある「スプリングエイト」という加速器をご存知でしょうか。1997年に建設された世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。スプリングエイトは大型加速器を使用して太陽の一億倍といった非常に強い光を発生しており、大学などの学術利用だけでなく、製薬会社や製鉄会社など、多くの産業利用に利用されていますが、そのスプリングエイトの更に一億倍の強さの光を放つSACLAという加速器が2011年に「スプリングエイト」に隣接して完成しました。このSACLAにはこれまでの常識を大きく超える非常に高性能のパルスパワー電源が要求されており、SACLAの心臓部にあたるこの非常に難しい電源も 株式会社パルスパワー技術研究所 が開発を行ったものです。現在、更にその性能を高めるための開発を理化学研究所と共同で進めています。

今後、パルスパワー技術研究所さんの製品としては、どのようなものに応用されていくのでしょうか?

最近は食品や医療、バイオ応用の関する引き合いが増えてきています。これまで、100℃以上の熱を加えて殺菌をしていた食品などを、パルスの電力で殺菌するという非加熱殺菌装置の研究と商品化が進んでいます。たとえは、牛乳、たまごなど、加熱すると食品が本来持っているタンパク質、ミネラル、ビタミン、などが変質して旨味、香り、風味が落ちてしまいます。これをパルスパワーを使用して熱を掛けずに殺菌することで、食品本来のおいしさを保つ研究が進められています。パルスパワー殺菌をした卵で作ったケーキは通常の市販の卵を使用したものに対して非常においしくなったという研究成果も出ています。
又、サバ、アジ、イカなどの魚にはアニサキスという寄生虫が寄生することが多く、これを食べてしまうと、胃や腸に穴があき苦痛を伴う食中毒になります。これまでは、板前さんが一匹一匹ピンセットで取るとか、冷凍・加熱などして殺虫する方法がとられてきましたが、非常に手間のかかる仕事で、味も落ちてしまいます。最近、パルスパワーを使って風味を落とさずにアニサキスを殺す技術が開発され実用化されてきています。今後、ますます、食品、医療、バイオ応用といった産業応用が進むことを期待しています。

(左)佐々木さん  (右)徳地さん

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