12/2(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと金田まりこが担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には
草津宿本陣と草津宿街道交流館の館長 八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
今回は草津で開かれていた市についてお話いただきました。
江戸時代の草津宿ではお盆と歳末に「二季の市」という市が立木神社周辺の東海道で開かれていたと膳所藩の記録に残されています。
農民は普段はツケで買える在来のお店でしか買い物できないのですが、年末には収穫したお米を売ってお金に換え現金を持って市で買い物をしました。
その「二季の市」が明治時代に入ると「草津大市」へと引き継がれ、草津村とその周辺の人々の物の交換や購入の場になっていました。
明治の終わりごろには8/11と12/26に大市が開かれ、草津マンポから立木神社までの広い範囲にわたって多くの人でにぎわいました。
大市では京都から出店する露天商が仏花、しめ縄、陶器、反物、おもちゃなどを売り、地元の商店は在庫商品を安く売りだしていました。
人々にとって大市は買い物をする場というだけでなく娯楽的な要素も含まれていました。立木神社の境内では相撲や芝居 のぞきからくりなどの催しがあり遠くからも家族でやってくる年に2回の楽しみでした。
やがて昭和に入り高度成長期をむかえるとスーパーが登場して個人商店ではなく一つの大きな店でいろいろなものが買えるという形が日常的になります。
大市の珍しさや希少価値がだんだん薄れていき、昭和35年に2万人集まっていたお客さんが2年後には8000人に減ってしまったと新聞記事になりました。
減りつつあるお客を元に戻そうと当時開通したばかりの新幹線に乗って熱海1泊2日の温泉旅行が抽選で当たる…などの企画もあったのですが、時代の流れには勝てず露店の数も減って昭和40年代半ばに草津大市は姿を消しました。
「くさつ歴史こぼれ話」次回は来年1/6(木)にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…