毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には
草津宿本陣と草津宿街道交流館の館長 八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
今日は街道を定期的に通る通行についてお話いただきました。
江戸時代の中頃までは街道を通るのは武士や神社仏閣の宗教者など限られた人々がほとんどでした。
定期的な通行として代表的なものは3月~6月にかけての参勤交代で、江戸と国許(くにもと)を大名行列で移動しました。
参勤交代以外に草津宿を定期的に通行したものについては、草津宿の役人の記録「御用旅行年中次第」に詳しく書かれています。
いくつか例をあげると
1月 年頭使(年賀の挨拶) 江戸→京(朝廷)
2月 年賀の返礼 京→江戸
4月 日光東照宮へお参り 京→日光
二条城の役人交代 江戸→京
5月 お茶つぼ道中 空のつぼが江戸→宇治
新茶を詰めて宇治→江戸
草津宿本陣の大福帳にも茶つぼが泊まったと記録があります
将軍に献上するお茶なのでどこの宿場町でも気を使ったようで
「茶つぼに追われて…」とわらべ歌も残っています
7月 馬を献上 江戸→京
8月 大阪城代の交代 江戸→大阪
9月 伊勢神宮へお参り 京→伊勢
長崎奉行の交代 江戸→長崎
11月 五街道を管理する道中奉行の見分
街道や橋は公金で修繕するのでお金がきちんと使われているのか調べながら通行
宿場からは恐れられていた。しかも草津宿は東海道と中山道の両方で見分された
こうした定期的な通行が毎年行われることで時代が経つにつれて街道や旅籠(はたご)、宿場町の間にある立場(たてば)という休憩所などの整備が進み、一般の人々も旅がしやすくなります。江戸時代中ごろ以降は庶民が旅をした時代でもありました。
「くさつ歴史こぼれ話」次回は3/3(木)にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…