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8/31(木)モニロケ放送後記「歴史のなぞ」 

8/31(木)モニロケ785は高橋さゆりと北村美和でお送りしました。
第5木曜日10時台は「歴史のなぞ」
栗東市小槻大社と草津市小汐井神社の宮司を務められる宇野日出生さんにお話をお伺いしています。

今回は小汐井神社で夏に行われる3つの神事についてお話いただきました。
1つは「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。
1年の折り返しとなる6/30に半年分の罪やけがれを祓い、残り半年の無病息災を祈る神事です。
神社の境内には茅(ちがや)という草で作られた大きな輪が設けられ「茅の輪くぐり」をすることでお祓いをして身を清めます。

茅の輪くぐりの起源は日本神話にさかのぼります。
須佐之男命(すさのおのみこと)が一泊の宿を借りたとき、蘇民将来(そみんしょうらい)が手厚くもてなします。
そのお礼に須佐之男命は「疫病がはやったら小さな茅の輪を身に着けると疫病が退散する」と教えます。この茅の輪がやがて現在のようにくぐる形に変わったようです。

祇園祭の粽(ちまき)に「蘇民将来子孫也」と書かれたお札が添えられているのはこの神話から来ています。
ちまきを家の玄関に飾ることで「蘇民将来の子孫だから疫病は退散する」と信じられています。

2つ目は「渦水(うずみず)の神事」です。
茅の輪くぐりの後に行う神事で、人形(ひとがた)と呼ばれる人の形をした紙に名前を書き、自分の体の悪いところに当ててから小川など水に流します。
自分の身代わりとなって痛みや苦しみを水に流すという意味です。
小汐井神社では大きなカメに水を張り水溶性の紙で作られた人形(ひとがた)を流して溶けていくようすを見守ります。

3つ目は「風鈴まつり」です。
風鈴に願い事を書いて拝殿に吊り下げます。風鈴の音は邪気を払うということで、涼しげな音が届く範囲には災いが来ないと考えられています。

以上3つの夏の神事はすべて人間の健康、災い、疫病に関連しています。
夏祭りがそういう部分が大きいのは昔は夏に疫病が蔓延したからで、疫病退散ということが祭りの発端となっています。

こうした祭りが生まれていくのには訳があって、非科学的なものかもしれないけれども人間が今まで歩んできた道をきっちり残してくれている歴史遺産です。
それを確かに伝えていくのが日本人の役割の1つではないか、また神社や神道は宗教ではあるけれども、日本人の歩んできた道を私たちに伝えてくれる大きな装置ではないか…と語られました。

「歴史のなぞ」次回は11月第5週の11/30(木)の10時台にお送りする予定です。
どうぞお楽しみに…

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