9/7(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子が担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には
草津宿街道交流館と草津宿本陣の八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
「古文書」「古記録」とは?
今回は「古文書」についてお話いただきました。
古文書とは一般的には古い記録や文書のことを言いますが、学問的には文書を作った人がいて差し出す相手があるもの、つまり自分の意思を相手に伝えるために作成したものが古文書です。
一方で日記や旅の記録など誰かにあてて書いているわけではない個人的なものは厳密には古記録と言います。
半紙サイズの和紙を横長に置いた状態で右から書いていき、1枚で足らなければ糊で継いで書きます(つぎ紙)。何枚も継いでいくときは折らないで巻いて巻物にします。
古文書・古記録から知る当時の暮らし
草津市内でも古文書や古記録はたくさん残されています。
草津宿本陣には1万3000点あまり、芦浦観音寺にも何百点もの古文書、古記録があります。
そのほか江戸時代に村で作られた文書(今は集会所などに保存されていますが)それを読み解くことで年貢をどのくらい納めているか…など地域の人々の暮らしがわかってくるし、代々庄屋を務めた家に残された文書からたとえば草津の名産 青花紙の流通について知ることができます。
江戸時代より前に全国で出された文書すべてと同じくらいの量が、江戸時代のわずか1年で作られるほどたくさんの文書が書かれました。
というのは江戸時代は「先例主義」であり、前に起こったことや決まったことを書きとどめて何かあったらそれをもとに交渉や折衝していました。
たとえば本陣の大福帳には宿泊客の以前のトラブルや出来事を必ず書き記して、次に宿泊したときにそれを参考に対応していました。
また村の境界や水争いで訴訟が起こった時、膳所藩の郡方奉行(こおりがたぶぎょう)の判決をきちんと残してそれ以降の争いごとに備えました。
こうしてたくさんの記録が残ることによって教科書に書かれている江戸時代の歴史だけではなく、それぞれの地域の細かな歴史も解明されることになります。
残念なのは貴重な歴史の資料が古い家を建て替える際に時々失われてしまうことです。今まで400年残ってきたものを失くしてしまうのは一瞬です。
古文書や古記録を残していくのが私たちの責任であり大切なことだと語られました。
「くさつ歴史こぼれ話」次回は10/5(木)10時台にお送りする予定です、どうぞお楽しみに…