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10/5(木)モニロケ785 くさつ歴史こぼれ話「本陣のお仕事」

10/5(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子が担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には
草津宿街道交流館と草津宿本陣の八杉淳さんにお話をおうかがいしています。

本陣のお仕事

今回は草津宿本陣の秋の企画展示に合わせて「本陣のお仕事」についてお話いただきました。
本陣には数多くの本陣文書が残されており、4年かけての調査で本陣の仕事について新たにわかってきたことがあります。

本陣で休憩や宿泊する参勤交代の大名や公家などをお迎えしてもてなすことが本陣の当主の大切な仕事ではありますが、その他にもさまざまな仕事がありました。

飛脚 取次所

たとえば草津宿本陣を定宿(じょうやど)にしていた出雲 松江藩の大名飛脚の取次所をしていました。
書状が滞りなく送り届けられるのを見守り、大津から土山まで近江の各宿場で何かトラブルがあれば草津宿本陣の田中家に報告され、その処理を任されていました。
松江藩の大名飛脚に関する資料は三つ葉葵の紋が付いた木箱に数多く残されています。

渡し舟の手配

それから瀬田橋(瀬田の唐橋)は何度も架け替えが行われているのですが、工事中で橋が使えず東海道が往来できなくなる時は渡し船で瀬田川を渡ります。
大名行列で一度に多くの船が必要となる場合、塩津,今津,近江八幡など琵琶湖周辺の8つの港に渡し船を用意してもらって川を渡るという手配も草津宿や大津宿の本陣が関わってきました。
草津宿本陣が大名からいただいた渡し船の謝礼金をそれぞれの関係者に分配したことを伝える資料が見つかったことから、今回それが初めてわかりました。

草津宿の運営

また本陣の当主は宿役人も務め草津宿の運営にも携わりました。大名一行が宿泊すれば本陣だけではなく家臣が脇本陣や旅籠(はたご)にも泊まるので草津宿全体が潤います。
自分の本陣のことだけではなく草津宿全体の財政を考えなければいけないので、本陣側の不手際で大名を怒らせ次は宿泊してもらえない…ということがないよう気を使います。
お定め本陣(定宿)になってもらうように大名に営業活動もしなければいけません。

さらに本陣の建物を維持する費用を出していただくために大名の大阪の藩屋敷まで出かけて交渉したという記録も残されています。
本陣文書を見ていくと本陣の当主は宿泊のためのおもてなしばかりではなく、幅広い仕事を次々こなして気苦労が絶えなかった様子がうかがえます。

草津宿本陣では本陣四季彩々 秋の段 企画展「本陣のお仕事~日常編~」を10/14(土)~11/26(日)まで開催します。ぜひご覧ください。

「くさつ歴史こぼれ話」次回は11/2(木)10時台にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…

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