2/29(木)モニロケ785は高橋さゆりと北村美和がお送りしました。
第5木曜日10時台は「歴史のなぞ」
栗東市小槻大社と草津市小汐井神社の宮司を務められる宇野日出生さんにお話をお伺いしています。
今回は古くより防火の神として信仰されている京都の愛宕(あたご)神社が授与している「火迺要慎」(ひのようじん)と書かれたお札(ふだ)についてお話いただきました。
昔から人々が怖がっているものとして「地震、雷、火事」が言われています。
これは瞬間にドーンとくる恐ろしさの順番を表していますが、人々が最も恐れていたのは火事でした。
「おくどさん」と呼ばれるかまどで火をおこし煮炊きをしていましたが、火を扱う場所は重要な神様がいる神聖なところとして昔から信仰され大切にされてきました。
愛宕神社の「火迺要慎」(ひのようじん)のお札を貼ることで「火事に気をつけよう」と気持ちを引き締め、火事から身を守り家を守り町を守ってきました。
このお札で有名な京都の愛宕神社は江戸時代には神仏習合で白雲寺と呼ばれ、昔は天狗がいると言われていました。
愛宕山の厳しい自然の中で多くの修験者(しゅげんじゃ)が修行をしていましたが、長い間修行を続けると来世を予知できる能力が身につくと考えられ、人々には修験者が天狗のように見えたようです。
こうした修験者たちに対する信仰が愛宕神社の「火迺要慎」(ひのようじん)のお札への信仰につながります。
人々がお金を積み立て代表者が愛宕神社でお札をもらって来てみんなに配り、各家庭でお札を貼って火の用心をした「愛宕講」という仕組みもずっと続いてきました。
火事が起こらないようにする努力や日頃の心構えがいかに大切かを「火迺要慎」(ひのようじん)のお札は示しています。
「火には気をつけましょう」という気持ちを持たせる重要な道具であり、お札は昔の人の英知として現代から次の世代へつないでいくべきものです。
人々が「火迺要慎」(ひのようじん)のお札を求めた愛宕神社ですが、神社自身も何度も火事を出した歴史があるとのことでした。
「歴史のなぞ」次回は5月第5週の5/30(木)の10時台にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…