3/7(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子が担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には草津宿街道交流館と草津宿本陣の八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
今回は宿場町の娯楽についてお話いただきました。
宿場で暮らす人々は旅人の宿泊や荷物の継ぎ立てなどの仕事をしていますが、時には暮らしの中で楽しみになるようなこともありました。
当時は草津宿で人を集めて何かをしようと思うと膳所藩に届け出をしないといけないうえに、単に娯楽をしたいだけではダメで何か目的が必要でした。
たとえばお寺や神社を修復するために相撲や浄瑠璃、芝居などを興行して人を集め、得た収益で本堂や拝殿などを修復するなど、勧進(かんじん)という名目が必要でした。
膳所藩に残る記録によると…
宮町のこうすけという人が商売が立ち行かなくなり文政11年(1828)赤痢の流行でますます生活苦となって、軍事講談(太平記などの軍記物の講談)を願い出ています。
この届出には庄屋や年寄が後見となり、単に金儲けのためではないことを保証しています。
そのほか天保5年(1834)相撲興行が神社の境内で3日間あり、京都や大阪から力士が集まってきて巡業しています。
また火事で焼けた家を建て直すお金を集めるために芝居の興行を願い出た記録もあり、まるで現代のクラウドファンディングのような仕組みです。
力士や旅芸人が草津宿へやって来てその技や芸能を見ることが宿場の人々の楽しみとなっていました。
また出開帳(でがいちょう)といって有名なお寺のご本尊が各地を回ってお金を集めることもありました。
三井寺が江戸で出開帳した時は途中いろいろな所で何度も開帳しながら参拝者からお金を集めたそうです。
岐阜の谷汲山(たにぐみさん)のご本尊が京都で出開帳した時には、帰りに草津宿本陣に泊まったという記録も本陣に残されています。
出開帳はかなりのお金が集まるので、江戸のお寺の秘仏が京都で出開帳されると聞きつけて、偽物の仏像を秘仏と偽り開帳して金儲けを企んだ草津宿の人7人が捕まったという記録もあります。
江戸時代の滑稽本「東海道中続膝栗毛」の中で、草津で泊まった弥次さん喜多さんに宿の主人が矢橋の鞭崎神社の祭礼に誘う場面があり、旅人も地元の行事や催しに参加して楽しんでいたのでは…と想像できます。
何か目的があるにせよ相撲や浄瑠璃、芝居が地元で興行されることで、芸能や文化などがそれぞれの地域に広がっていきました。
「くさつ歴史こぼれ話」次回は4/4(木)の10時台にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…
3月9日(土)本陣楽座 落語会~草津クレアホールの段~が開催されます。
出演は 桂春団治、桂春之輔、桂小文三、桂咲之輔、月亭希遊
草津クレアホールで13:00開演です。前売り1200円 当日1400円
皆さんのお越しをお待ちしています。