8/1(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子が担当しました。
毎月第1木曜10時台の「くさつ歴史こぼれ話」の時間には草津市歴史文化活用調整員の八杉淳さんにお話をおうかがいしています。
旧暦8月1日八朔(はっさく)と草津宿
今回は放送日の8/1にちなんで八朔(はっさく)についてお話いただきました。
旧暦の8月1日を八朔(はっさく)と呼びます。
徳川家康が江戸城に初めて入った日が天正18年(1590)8月1日であったことから、八朔は幕府にとって正月に次ぐ重要な日とされました。
毎年8月1日に徳川幕府は京の朝廷に馬(八朔馬)を何頭か献上して、宮中では天皇に馬を披露する駒引きという行事が行われました。
朝廷に献上される馬は毎年7月の終わりに草津宿を通って行きました。
このように参勤交代の行列のほかに街道を毎年定期的に通る行列を御用通行といいます。
草津宿の役人の記録によると御用通行には八朔馬の献上のほか御茶壷道中など年間11件の通行があげられています。
記録の中には「随行者がねだりがましく申しても断るように」とか「一汁一菜でまかない御馳走するな」と通達されていて、随行者の振る舞いに苦労させられていた当時の宿場の様子が偲ばれます。
また浮世絵師の歌川広重が八朔馬献上の行列に随行して東海道を江戸から京の都まで歩いたから、東海道五十三次の浮世絵を描くことができたという説があります。
確かに東海道藤川宿(今の岡崎市)の浮世絵には献上する八朔馬と随行者の行列とこれを土下座して迎える人々が描かれています。
しかし歌川広重の浮世絵はそれより以前に描かれた東海道名所図会(当時の旅のガイドブック)などのさし絵と類似の構図が描かれていたり、その一部を取って浮世絵にあてはめたりしている…とわかることから、広重は実際には各地に足を運んで描いたわけではないと今では考えられています。
「くさつ歴史こぼれ話」次回は9/5(木)の10時台にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…