1/30(木)モニロケ785は高橋さゆりと三井麻莉子がお送りしました。
第5木曜日10時台は「歴史のなぞ」
滋賀県神社庁草津栗東支部長の宇野日出生さんにお話をおうかがいしています。

今回は予知能力を持つ神職についてお話いただきました。
甲賀市土山町大河原にある若宮神社には極めて特殊な神主制度が存在しています。
正式な神主は別におられるのですが、実際は地元の方が神社の運営を行っています。
まず若い人が青年会の組織に入り村の仕事や神社の仕事に携わります。
長年経験を重ねた後やがて神主候補者6人の末席に加わります。
修行を積んで1年ごとに上位へ昇進し6年目に晴れて「年番神主」として「お指図」をする神主になります。
お指図とは就職、結婚、選挙など様々な問題を「どうしたらよいか?」と聞きに来る人々に答えを示して導きます。
厳しい修行を積むと不思議なことに人は予知能力を持つようになるそうです。
修験者や天台宗の阿闍梨(あじゃり)と同様で決して珍しくはないとのことです。
年番神主のお指図がよく当たるので「滋賀県に予知能力を持った神職さんがいる」と噂が広まり、大勢の人が若宮神社に参詣するようになります。
その一方で年番神主になると精進潔斎(肉食を断ち行いを慎んで身を清める)日々を送って神さまにお仕えしなければなりません。
たとえば毎日朝の6時から夜の9時まで神社で奉仕をして境内を出てはいけないし、病気になっても医者にかかることも許されません。
こうした厳しい修行は神さまにお仕えすることが根底にあるので、それによって予知能力を持ったとしてもそれは副次的なものと考えられています。
1年の年番神主を終えると普通の人に戻ります。
ただし今は生活の形が変わってきているので若い人が受け継ぐことが難しく、若宮神社の特殊な神主制度は最近なくなってしまいました。
「歴史のなぞ」次回は5月第5週の5/29(木)の10時台にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…