6/19(木)モニロケ785木曜日は高橋さゆりと三井麻莉子でお送りしました。
「いきいき草津」前半は日本熊森協会滋賀県支部の支部長 村上美和子さんにお越しいただきました。

日本熊森協会とは熊をシンボルに奥山水源の森の保全再生や大型野生動物の保護に取り組んでいる団体です。北海道から宮崎まで29支部23000人の会員を持つ実践自然保護団体です。
村上さんは自然食品を宅配するお仕事をされています。
2000年頃いただいたカセットテープを車で聞いているうちに涙が出るほど感動したことがありました。それが日本熊森協会の初代会長森山まり子さんの講演テープです。
講演内容は尼崎市の中学生が、熊が住めなくなった森林から下りてきて捕殺されたという新聞を読んで胸を痛め、生徒たちと先生が一緒になって自然保護と熊の保全活動を始めたというお話でした。
そのカセットテープをダビングして商品を配達するたびにお客さんにお渡したことから熊森の活動が始まります。
4年後に大津で森山会長の講演を開催することになり、それ以来日本熊森協会滋賀県支部の支部長として20年間活動を続けています。
日本熊森協会滋賀県支部では高島市朽木麻生に杉の人工林245haをトラストして所有しています。
山歩きをすると、滋賀県は杉の荒れた暗い人工林であるのに対して福井県は実がなるブナの明るい林だということに気づくそうです。
森林の所有者を調べ購入しようと交渉しますが、自然保護団体に売却することを望まないなどの紆余曲折もあり、寄付金など資金を集めて購入までに10年もかかりました。

現在その林を杉やヒノキの針葉樹だけではなく、ドングリがなる広葉樹を植えて混交林にしていこうと活動しています。
まず高島市森林組合にお願いして杉を間伐してもらい、林を明るく風通しを良くしてそこに広葉樹の苗を植樹していきます。

滋賀県の森林は管理されていない杉の人工林が多いとのことです。戦後高く売れるからと杉の植樹が盛んに行われたのですが、やがて安い外国産が輸入され林業での生計は厳しくなります。
杉林は手入れされないまま放置され、動物にとってそれは食べ物がない森であり、人間にはスギ花粉症が蔓延する原因となります。
食べ物がないから熊などの動物が里山や町に近いところまで下りてくるし、人と遭遇すれば大ニュースになって捕殺されてしまいます。
村上さん自身も麻生の林で熊と出会ったことがあるのですが、熊は用心深い動物なのでこちらが音を立てて人間の存在を知らせると隠れて逃げていくそうです。
日本熊森協会では「住み分け」に注力していて、熊を駆除 捕殺ではなく防除しようと市や県に働きかけています。
林野庁も最近は針葉樹だけの人工林ではなく広葉樹も植えて混交林にしようと方策が変化してきました。
日本熊森協会滋賀県支部では朽木麻生の林で採れたドングリを育てて、再びその苗を植樹する活動をしています。
これは地域性苗木といって、遺伝子のかく乱を防ぐための昔ながらの方法です。

このドングリをご自宅で苗木に育ててくださる方を募集しています。その苗が森で大きく育ってたくさんの実をつけ動物たちの食べ物になります。
育ててみようという方は日本熊森協会滋賀県支部の支部長 村上美和子さんまでご連絡ください。
TEL 090-2011-5530