4/30(木) モニロケ785は高橋さゆりとカノチヒロがお送りしました。
第5木曜日10時台は「歴史のなぞ」
栗東市小槻大社宮司で京都市歴史資料館主任研究員の宇野日出生さ んにお越しいただきました。
今回は「お祭り」をテーマにお話を伺いました。
日本の宗教はもともと超自然的な現象を信仰して敬う神道と、 後から日本に入ってきて日本風にアレンジされた仏教とが混ざった もので、神様と仏様が一体だととらえていました。 これを神仏習合とよび江戸時代の終わりまで続きました。
昔は医学が発達していないので病に苦しむ人も多く「病から身を守 ってください」 と神仏に真剣に祈ることによってしか助からない時代でした。
神仏に一生懸命祈ることが幸せな生活を保障してくれる唯一の手段 であり、信仰心の度合いや真剣さが今とは全然違っていて、 宗教が人々の健康と密接なかかわりを持っていました。
人々を苦しめる疫病(はやり病)からどうやってのがれるか?… という問題に対して「盛大なお祭りをして疫病を退散させよう!」 と考えたのでした。そこでお祭りが始まりました。
現代の私たちにとっては奇妙な発想かもしれませんが、 病の原因となるウィルスのことなど何もわからない当時の人々にと ってはお祭りに対する取り組みも今とは全く違っていて本当に真剣 でした。
たとえば「祇園祭」も疫病退散のために行われるお祭りです。 今年はコロナで中止になってしまうのが皮肉なのですが…
お祭りは日本人が歩んできた歴史そのものがぎゅっと凝縮されて今 に残っています。 お祭りの形だけを伝承するのではなくさらに奥に潜んでいる日本人 のものの考え方を知ると、 私たちがどういう気持ちで生活をしていけばいいのか… 考えさせられることは多いのではないか? ちょっとしたことでも命を落としてしまう昔に比べて今がどれほど 幸せか、そのレベルの高さを知って先人に感謝しなければ… と語られました。
「歴史のなぞ」次回は7月第5週の7/30(木) にお送りする予定です。どうぞお楽しみに…